部下が納得できない評価が良くあります。努力しているのに評価されないときは、特に感じます。なぜ、上司の評価と食い違うのでしょう。
このような場合、根底にあるのは意思疎通が不足しているからです。意思疎通は互いのコミュニケーションによって成立します。
部下の不満の原因の多くは、上司の意思疎通が不足している場合です。
コミュニケーションは立場上、部下から求めるものではありません。上司が率先垂範して行う仕事です。上司が部下を正しく理解し、社会人として導く役割が上司の仕事です。
しかし、上司にも個人差があり、得手不得手があります。無理な行為は誤解を招き逆効果です。では、どのように部下との意思疎通をすればいいのでしょう。
・互いに求める仕事やレベル
・「できる、できない」の理由や原因
・上司の評価や部下の意見
定期的に、互いの考えを本音で意見交換をすれば、意思疎通は進みます。一番の解決策であり、本来するべきことなのです。それには「3つの手順」があります。
上司の考えを知り部下を理解できれば、部下は納得でき正しい評価につながるのではないでしょうか。そして、日頃からの不満も解消され意思疎通ができるのです。
部下が評価に納得しない理由
努力を評価されない
部下が努力を評価されなければ、当然納得できません。「努力よりも結果」を評価するのであれば、根本的に評価基準が間違っています。
努力が評価されない大きな理由は、どのような努力をしているのかわかっていないのです。部下の行動やプロセスを見ていないか、関心がないのです。
上司が部下に関心がなければ、不満をもち納得しないのは当然です。部下を見ていないのですから、そもそも評価ができるはずがありません。
部下を理解していない
上司は気持ちが理解できれば、気持ちに寄り添い正しく導くことができます。考え方が理解できれば、説明し改めさせることができます。
部下を理解すれば、何が・どこが違っているのかわかります。だから指導ができるのです。しかし、理解していなければ指導はできません。結果で判断するしかありません。
部下の気持ちや考え方を理解していなければ、正しく評価できません。部下は評価に納得できないのは当たり前です。
評価の理由や説明が曖昧
部下は評価に対して理由や説明を聞きたいのです。より高い評価だけを望んでいるのではありません。どこに問題があり何を改善するべきなのかを知りたいのです。自分自身を高めたいからです。
評価の理由や説明が曖昧では納得できません。知りたいことが知れず、結局評価そのものに不信感を抱きます。評価は優劣をつけるためではなく、部下を成長させるためのものです。
部下が評価に納得しない原因は、努力を見ておらず気持ちや考え方を理解していないからです。だから、評価の理由やその説明ができないのです。
不満の原因は上司の意思疎通が不足
普段から会話がない
このように、上司の意思疎通がなければ納得できる評価はできません。このような上司は、普段からの会話がなくコミュニケーション力に欠けています。
意思疎通は部下から行うことではありません。強い立場の人が弱い立場の人へ行うべきです。それが上司の思いやりであり、寄り添う姿勢なのです。
コミュニケーションがなければ、人間関係も成立しません。意思疎通なくして上司の役割は果たせず、部下は不幸です。また、苦手で済む問題でもありません。
相談できない雰囲気
部下には相談したいことが沢山あります。普段から会話がなければ、相談できる雰囲気ではありません。相談できなかったために失敗することもあります。
人にはそれぞれ雰囲気があります。「オレは相談しにくい雰囲気だから仕方ない」と思い込むかも知れません。
しかし、それでは通用しません。自らが努力し、相談しやすい上司にならなければいけません。
目標が決まっていない
業務において、部下の目標を決めることは極めて重要です。目標を与えずに仕事だけ与えても部下は成長しません。
目標を決め、定期的な進捗を確認し結果の反省が必要です。この業務上の「目標設定」が重要な意思疎通とコミュニケーションの「場」になります。
普段の意思疎通が苦手であれば、この目標設定をコミュニケーションの「場」として活用しましょう。目標設定は「3つの手順」で進め、進め方は後で詳しく説明します。
納得できない評価をする上司のタイプ
1.コミュニケーションがなく、部下に関心が薄い
・部下が困っていても気づかないふりをする。
・相談しても返事が帰ってこない。
・自分のペースで仕事をする。
2.頑固で好き嫌いがはっきりしている
・気に入らない部下は可愛いがらない。
・言い出したら人の意見を聞かない。
・偉そうに言う。
3.計画性がなく目の前の仕事を優先する
・いつも忙しいからと言い訳をする。
・すぐに仕事を増やす。
・頼んでいたことが忘れられる。
4.自分のことしか考えていない
・自己中心に判断する。
・自分に不利なことはしない。
・他人に興味がない。
5.自分の考えが正しいと思っている
・話しは聞いているが、実際は聞いていない。
・話しの途中でも、自分の意見を言う。
・すぐに部下の行動を指摘し、保身に走る。
・自分の都合で言うことがコロコロ変わる。
部下と意思疎通できる3つの手順
1.目標は互いの話し合いで決める
互いの考えや想いに違いがあり、目標を相談して決める必要があります。上司と部下の目標が違っていると、正しい評価ができず価値観を合わせる作業が大切です。
互いの考えや意見を交わすと、理解が深まり意思疎通ができます。コミュニケーションを通じ、部下が納得できるように話し合いましょう。
部下にとって理解を得ることは、信頼と安心感につながります。
・目標を話し合いで決め、実現可能なレベルの目標を設定する。
2.定期的に進捗を確認する
互いに納得して決めた目標の、進捗を確認しましょう。決めただけで確認しなければ、意味も効果もありません。少なくとも2~3か月に一度は必要です。
目標が部下にとって、どのような問題や疑問があるのかを知る作業です。例えば、「目標が高すぎる、こんな問題があり解決できない」等、部下の状況を把握しましょう。上司は解決策の提案や目標の修正を行い、部下が取り組み易い環境に改善する作業が求められます。
・目標を話し合いで決め、実現可能なレベルの目標を設定する。
3.結果について話し合う
目標の設定期間が終われば、結果について話し合いましょう。だきた「できない」の評価ではなく、努力を評価しましょう。部下の意見を聞き、次はどのような目標にするのかを決めましょう。
結果の良し悪しが評価ではありません。部下がどのように努力したかを評価します。コミュニケーションを交わし、意思疎通ができれば部下は納得できます。
そして、次の目標に意欲的に取り組みます。理由は、上司が納得できる評価をしているからです。
・結果も大事だが、プロセスを重視する。
簡単なことです。決して時間をかける必要もなく、業務の妨げにはなりません。定期的な上司とのコミュニケーションが、互いの理解を深め価値観を合わせる効果があります。
部下は目標と課題が明確になり、意欲も湧き成長していくのです。
意思疎通できなければ、どんな問題が起きる
目標が決らずビジョン(未来像)が見えない
何を目標にすればいか、教えてほしいと思っていませんか?認められ、必要とされることを望んでいると思います。毎日の仕事の積み重ね・・・と言ってしまえばそうかもしれません。
しかし、その結果どのような仕事ができればいいのかを知りたいと思います。将来のビジョンを教えなければ、希望をもって仕事はできません。毎日の仕事は目標に対する手段なのです。
部下は迷い不安になり成長しない
上司からのコミュニケーションがありますか?仕事中に一言だけ雑談をできる上司は、コミュニケーション力のある人です。
日頃から少しでも声をかけてもらうだけでも、安心するのではないでしょうか。このちょっとしたコミュニケーションの積み重ねが、目標に対する意思疎通になります。
このように、日頃の意思疎通から部下への関心度につながります。考えや気持ちが理解できれば、何を目標にして将来のビジョンに近づけるのかも、互いの意見交換になります。
コミュニケーションが無ければ、部下は迷い不安になり成長しません。
部下が育たない
自分を大事にしてくれていると感じていますか?そもそも、人の評価は難しい仕事です。しかし、部下を大事にしなければ頑張る意欲は湧かず、育てようとする気持ちがなければ成長しません。評価は、部下の将来と人生に関わる責任がある仕事です。
まとめ
評価が正しくできない上司は、部下に関心がなくコミュニケーションを大切にしません。目標やビジョンを与えることができず、部下を大切にし、育てようとする気持ちがありません。
人の評価は難しく、責任のある仕事です。だからこそ上司の役割は重要なのです。
上司と部下の意思疎通ができていれば、目標やビジョンを決め、問題点と課題を共有し、どのように解決していくのかを見出すことができます。
部下が納得する評価ができる「できない」は、上司のヤル気が問われているのです。
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