飲食店のリピーターと固定客が増える!ターゲット戦略の効果とは

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飲食店にとって、顧客は「命綱」です。勿論、飲食店だけではありませんが、顧客が増えれば客数が安定し売上も安定します。顧客の増加は飲食店には重要なファクターです。

顧客が増えるまでの動向は、まずリピーターが増えリピーターが固定客になっていきます。そして、その客数と来店頻度が上がれば徐々に売上も増加していきます。

リピーターと固定客は少し意味合いが違い、後ほど詳しく説明します。

リピーターと固定客を増やすことは容易いことではありません。小さな飲食店はスペースも小さく、提供できる商品の種類も限定されてしまうからです。

しかし、小さなお店だからこそ固定客を増やさなければいけません。そのためには「ターゲット戦略」が重要な役割と効果を発揮します。

「ターゲット戦略」とは、不特定多数の客層を狙わず、自分がイメージする(来店して欲しい)顧客を絞り込み、その顧客を集客する戦略です。ターゲット戦略は、どんな会社でも必要な戦略です。

この記事は、私の経験に基づき書いています。経営はバランスを整え、精度を上げることが必要です。そのための入り口として、ターゲット戦略は不可欠なのです。

 

なぜターゲット戦略が重要なのか

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ターゲット戦略とは

「ターゲット戦略」とは、不特定多数の客層を狙わず、自分がイメージする(来店して欲しい)顧客を絞り込み、その顧客を集客する戦略です。
「どのような客層を狙うのか」という方向性です。

ビジネスを始めるときに、「〇〇を売りたい」と考えて始める人が多いのは事実です。しかし、重要な順番は、「何を売る」ではなく「誰に売る」のかです。

この「誰に」がターゲット戦略です。そして「誰に」は「どんな顧客に」であり、顧客を分類するグルーブであり「客層」と言います。

スーパーや百貨店は売り場面積も広く、幅広く商品の取り揃えができます。多くの商品で、幅広く「客層」を狙えるからです。

しかし、小さな飲食店では、スーパーや百貨店のような戦略は取れません。面積も小さく、メニューの種類にも限界があるからです。

客層を絞り込み、どのような客層を狙うのか計画を立てる必要があります。

リピーターと固定客の違い

リピーターと固定客は「顧客の目的」が違います。そのため「同じ意味合いの顧客」と考えると、大きな間違いになります。

リピーターとは、同じ行動を繰り返す顧客です。ある一定期間に繰り返し訪れ、同じ商品を買う顧客です。一つの商品だけが目的の顧客です。

固定客とは、その店舗に頻繁に訪れる顧客です。一つの商品だけでなく、幾つかの商品をその都度買っていきます。常連客とも呼ばれます。その店舗が目的の顧客です。

店舗の顧客が増えるプロセスは、リピーターが増え固定客になっていくのが一番望ましいのです。

顧客には「客層」の違いがある

もう少し「客層」について説明します。客層には違いがあります。

客層とは、主力の顧客(メイン・コアターゲット)と、次に狙う顧客(サブターゲット)があり集客目標とするグループの総称を意味しています。

ビジネスによって、狙う客層には違いがあります。性別、年齢別、時間帯、ライフスタイル、テイスト、価格帯等の違いにより狙う客層は分類されます。

下の表は、ターゲット戦略のサンプルです。どの時間帯に、どのような顧客をイメージしているのか表しています。

 

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顧客には目的がある

顧客にはメニューや料理に対する好みがあり、「好き嫌い」も重要な要素です。「好き嫌い」とは別に、顧客には「目的」があります。その店舗に、なぜ行くのかという目的です。

1.〇〇が食べたいから、あの店に行く。
2.考え事をしたいから、落ち着ける店に行きたい
3.友達と話しがしたいから、長居できる店を選ぶ。
4.予算は〇〇円ぐらいで済ませる店に行きたい
5.沢山食べたいから、ボリューム感のある店に行く 等

ターゲット戦略は、自分のイメージする客層の絞り込みだけではありません。しかし、顧客の要望をすべて満足はさせられません。大切なのは、顧客要望の絞り込みです。

ターゲット戦略が決まれば商品政策

自分がイメージした客層が集まれば、期待がもてます。しかし、その客層を集めるのが「商品政策」です。「誰に」の次が「何を売る」の順番です。順番を間違えると、顧客は集まらずビジネスは成功しません。

例えば、サラリーマンが少ない場所で「サラリーマン向けランチ」の店は無理があります。また若者が少ない場所で「バル」を出店させるのも同じです。

狙っているターゲットが好む商品を販売しなければ、狙った顧客は集まりません。ビジネスの基本は、最初に「誰に売る」というターゲット戦略が重要なのです。

ターゲット戦略の役割と効果

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1.固定客が増える

リピーターが固定客になる話しを前述しました。最後は固定客が増えて欲しいのです。特に街の中心地から離れている場所では、固定客は重要です。アクセスが不便なお店でも、固定客を多くもっているお店は沢山あります。

固定客をもっているお店は、ターゲット戦略ができているからです。ターゲットを絞り込み、ターゲットが好む「商品やサービス」に特化し提供することで、固定客を増やしていけるのです。

アパレル業と飲食業は、性格が違います。アパレル業の来店頻度は、シーズンの移り変わりで動きます。季節感があり春夏秋冬で動きます。

例えば、来店頻度です。アパレル業は、シーズンの移り変わりで商品は動きます。季節感があり、春夏秋冬で動きます。

一方、飲食店は食材の季節感はありますが、毎日消費します。顧客の購買頻度は、食料品が一番高く、飲食店も高い来店頻度が望めます。

固定客は新たな顧客を呼んでくれます。固定客にとって、その店舗は「お気に入り」であり「高評価」なのです。結果として、固定客が増え来店頻度も増えていいきます。

このようにターゲット戦略は、ビジネスに必要な固定客を作っていくのです。

2.効率的な商品の絞り込みができる

固定客が増えれば、主力商品が明確になってきます。逆に必要のない商品もわかってきます。すると「スクラップ&ビルド」ができるようになります。効率的な商品展開ができれば、ロスも減少します。

「次はこの商品が売れるのではないか?そのためには、この商品は必要がない」と考えるようになります。今までの迷いが減少し、可能性を見いだせる「想像力」が宿ってきます。想像力を働かせると、どうなっていくのでしょう。

3.想像力が事業の精度を上げる

ターゲットが決まれば、商品や店舗の雰囲気・サービスや情報発信につながっていきます。いろんな戦略に気づき、想像力が活発になり事業の精度が上がってきます。

ではどのように精度が上がっていくのか、少し整理をしましょう。

ビジネスにはサイズがありますが、求められることは同じです。それを「事業計画」と呼びます。考える計画には順番があります。

1.ターゲット戦略
2.ストアーコンセプト
3.商品政策
4.サービス・販売促進・情報発信 の順番です。

 

ターゲットが決まれば、ストアーコンセプト。次は商品政策、サービス・販促・情報発信 の順番です。ターゲット戦略は事業計画の一部分です。

ターゲット戦略から順番に決めることで、一貫性のある事業のバランスが整い精度を上げることができます。そのためには、ターゲットが何を求めているのかという「想像力」が重要です。

具体的なターゲットの選び方

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1.メイン(コア)ターゲットとサブターゲット

メインターゲットは主たる客層ですが、メインターゲットだけではビジネスにはなりません。例えば、飲食店では土日祝日は稼ぎ時ですが、サラリーマンは休みです。

そのため、サブターゲットを設定する必要があります。メインターゲットが来店できない時間帯を補うためです。このように「隙間」を作らず効率的な計画が重要です。

2.ライフスタイルと時間帯

サラリーマン、OL、学生、主婦、家族連れ等、人にはライフスタイルがあります。同時に来店できる時間帯があります。

例えば、サラリーマンとOLは同じライフスタイルです。サラリーマンが来店できない昼食後は、主婦や家族連れ、授業が終わった大学生もティータイムとして考えられます。

開店から閉店まで、顧客を取り込むことは困難です。しかし、ライフスタイルと時間帯によってはサブターゲットを取り込むことができます。

どの時間に、どのような客層をターゲットにするのか・・・想像力と計画性が事業を左右します。

3.年齢とテイスト

年齢によっても変わります。20歳代、30歳代、40歳代等、年齢によっても求めるものが違います。

テイストとは、「嗜好・主張」という意味です。テイストは年齢に関係ありません。例えば、20歳代の若い人でも、昭和の雰囲気を好む人もいます。逆に50歳代でも、今風な店舗を好む場合があります。

年齢だけにとらわれず、テイストを意識しましょう。 

4.価格帯

価格帯はターゲットを左右する大きな要素です。経営的には価格帯を下げると集客力は上がりますが、利益と品質は低下します。価格帯を上げると、顧客は減少しますが、利益と品質は上がります。

「リーズナブル」と「コストパフォーマンス」という言葉があります。最近では、「コスパ」と省略され使われますが、「リーズナブル」はあまり使われなくなりました。なぜなのでしょう。

リーズナブルとは、納得できる・適正という意味です。
消費者側の用語です。
コスパとは、トータル的に仕事を成し遂げるための費用や作業量です。
事業者側の用語です。

リーズナブルは、商品の価格に対する評価です。コスパは商品や雰囲気、サービスを含めた評価です。

 

最近コスパが多く使われるのは、顧客が事業者側の視点でトータル的評価をするようになったからです。

安ければいいということではないのです。この「トータル的評価」こそが、顧客から求められています。

経営に求められることは、顧客視点で想像できます。ターゲット戦略を起点にバランスの取れた精度の高いビジネスが求められるのではないでしょうか。

ターゲット戦略は実際に私が取組み、効果がありました。
考え方や方法等、不明な点があればご遠慮なくお問い合わせください。

 

まとめ

リピーターを増やし固定客で安定させることは、容易いことではありません。焦れば焦るほど、気づかないうちに経営のバランスは崩れていきます。

ビジネスの出発点は、「何を売る」ではなく「誰に売る」です。だから出発点は、ターゲット戦略なのです。

ターゲット戦略の次は、「ストアーコンセプト、商品政策、サービス・販売促進・情報発信」で事業計画を構築していきます。

特にスペースが狭くロスの多い飲食店では、リピーターと固定客を増やす「ターゲット戦略」は重要ではないでしょうか。

 

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