私たちが生きていく上で、ストレスやプレッシャーから逃げたり避けたりすることはできません。社会人として、会社で一番強く感じることもあります。
社会の一員として、「頑張らなければいけない、この苦しみに負けてはいけない」と誰でも思うものです。この強い気持ちがストレスやプレッシャーを招く結果になるからです。
ストレスやプレッシャーがない生活が、どれほど楽なのかと感じることはよくあります。しかし、現実の社会で生きていくには乗り切る道しか残されていないのです。
そこで重要になるのは、上司の役割と責任です。苦しむ部下を潰さない上司の能力は、部下の成長だけではなく人生も変えていく影響力があります。
上司に求められる能力を知ることで、気づかないことに気づくかも知れません。そして自分が追い詰められる前に自分をコントロールできるヒントになるかも知れません。
上司に求められる能力
ストレスとプレッシャーの違い
ストレスとは、
プレッシャーとは、
このようにストレスとプレッシャーは違います。しかし、どちらも本人の許容範囲を超えると、精神的・肉体的に悪影響がでることには違いはありません。その結果、部下は潰れてしまいます。
自分でコントロールできるのか
そもそもストレスやプレッシャーは、とんどの人が自分でコントロールできません。誰もが感じることと言い聞かせ、「耐える、辛抱する」しかできません。
このストレスとプレッシャーは、就業時間中において職場で発生します。また仕事が終わっても休みの日でも、本人の中でどんどん積み重なりやがて爆発し問題が発生します。
よく上司は、「本人の仕事の進め方が悪い」「考え過ぎて気にし過ぎ」「性格の問題」等と上司の責任として認めません。しかしこれは、大きな間違いです。
理由は、就業時間中の部下の管理監督責任は上司にあるからです。上司は部下のストレスやプレッシャーを感じ取り、改善への指導をする責任があります。だからこそ上司のサポートは不可欠なのです。
「見抜く能力」と「見落とさない能力」が求められる
部下を潰ないリーダーは、「見抜く能力」と「見落とさない能力」のある人です。
事実や本質を知ることを恐れず、小さな変化に気づくように意識を持ち続けることが大切です。そのためには、常に部下に関心を持ち見守らなければいけません。
部下は苦しいとは言いません。言わないというより言えないのです。「見抜く能力」と「見落とさない能力」を持つ上司は、部下をしっかり見ているからこそ、想像力や観察力が優れているのです。
部下を潰さない上司の行動
1.部下に関心をもち、育てようとする
部下に関心を持てば、性格・考え方・得手不得手・特徴等上司として知ることができます。仕事だけではなく、趣味・嗜好・音楽や雑誌の好き嫌いもわかります。
部下に関心を持たなければ、何も知ることはできません。仕事の結果だけで部下を判断してしまいます。何よりも部下に上司への理解を求めるのは間違っています。上司が部下への理解を深めることから始まります。
部下を理解することで、「強み弱み」を知ることができます。部下を潰さない上司は強みを伸ばし、弱みを強くしようとします。それが「育てる」という上司の仕事です。
2.部下を信頼し存在を認めている
部下として一番辛いことは、信頼されず自分の存在が認められていないことです。「頑張ろう」とする気持ちは、認められていなければ持てません。
たとえ仕事ができなくても、失敗をしても信頼し部下としての存在を認めていれば、部下は潰れません。
3.高圧的な接し方はせず、考え方や意見を尊重する
高圧的な接し方では、部下は意見や考えを伝えることはできません。すぐに否定されると考えるからです。
部下の声に耳を傾け、考え方や意見を尊重する姿勢が大切です。仮に本質から外れているときは、わかり易く納得で決めように説明するのが上司の役割です。
4.結論は先に言わず、部下に考える時間を与える
部下を育てる上司は、結論を最初に言いません。部下に考える時間を与えます。何度も考えることで、思考能力が育つのです。結論を言ってしまうと考えなくなります。
ワンマンな上司は、「オレの言う通りにやればいい」と考えます。すると部下は、「何を言っても聞いてくれない」と考えてしまいます。これでは考える力は身につきません。
5.失敗は責めず、必ずフォローする
部下の失敗を責める上司は、自分のことしか考えていない人です。本当に実力のある上司であれば、部下の失敗は上司の力でフォローできるはずです。
上司に実力がなく自分で解決できないために、部下を責めるのです。部下は失敗を恐れチャレンジ精神も生まれません。
「失敗してもオレがフォローする。だから怖がらず思い切ってやってみろ」と言われれば、自信のない部下も頑張ろうとします。だから部下は育つのです。
6.善悪をはっきり説明できる
「正しいことは正しい、間違っていることは間違っている」と部下に教えることは重要です。若い部下に善悪を教えなければ、部下は「悪」も「仕事では善」と思ってしまいます。
上司は善悪をはっきりと説明し、正しい仕事の進め方を教える責任があります。「善」より「悪」の方が苦労せず楽な場合があるからです。
善悪をはっきりさせることで、実力をつけさせ誰からも認められる仕事ができるようになります。
7.部下のために自分を犠牲にできる
部下を潰さない上司の行動は、極端な表現をすれば「命がけで部下を守る」行動です。そこには「部下のために自分を犠牲にできる」覚悟が必要です。
本当に実力がある上司は、自分を犠牲にしてもすぐに元に戻せる自信があります。その実力と自信を持たさなければ、将来上司の立場になったときに部下は困るのです。
なぜ部下は潰れず頑張れるのか
ストレスやプレッシャーで苦しむ部下を「見抜く能力」と「見落とさない能力」を持つ上司の下で、なぜ部下が潰れず頑張れるのでしょう。言い換えると、部下はどのように感じているのでしょう。
1.信頼関係が生まれ安心して仕事ができる
何よりも上司との信頼関係が部下の気持ちを変えていきます。自分に関心をもち見守ってくれていることほど、心強いことはありません。安心して仕事ができ、もっと頑張ろうと思えます。信頼関係が部下の気持ちを変えていきます。
2.社会人として成長できると思える
安心できれば仕事も集中できます。会社や上司に対する余分な疑問や不信感も抱かなくて良いからです。結果として、失敗を恐れず経験を積むことができ早く成長できます。
子供が親を見て育つように、部下は上司を見て育ちます。高い人間性や正しい判断力を見習い、いつの間にか周囲から信頼されるようになります。そして、リーダーシップを備えた人材に成長していくと実感できるのです。
3.会社に必要とされ希望を持てる
ここまで成長すれば、会社に必要な人材として認められていきます。仕事は増えるかも知れませんが、いろんなチャンスが訪れます。人生が変わり希望が持てます。
誰にでも希望が必要です。希望を持てれば、多少の苦労は乗り越えようとするからです。
4.将来どのようなリーダーになりたいのか考える
人は将来を考え想像します。何年か先に自分がどのような立場になれるのか意識します。「成りたい」だけではなれませんが、自信が持てればどのようになりたいか考えます。
自分が受けた教えやチャンス等の経験が、将来像を左右します。上司になったときに、過去の経験を活かせる人材に成長し、同じように部下を助け育てることができます。
まとめ
「無関心な上司」は、会社の中では少なくありません。部下は利用し「潰す」ためにいるのではありません。「育てる」ために会社から仕事として託されているのです。部下に与える影響力が、個人的な好き嫌いや感情であってはいけません。
部下を潰さず育てる仕事は、会社の「人」という財産を守る責任なのです。
能力は作為的に作られる行為や、偶発的に発生するものではありません。努力や経験の中から生まれてくる根拠のある「問題解決力」なのです。
だからこそストレスやプレッシャーは、能力を磨けば自分でコントロールできるようになるのかも知れません。
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