どんな会社でも、経営者と従業員には「温度差」があります。互いの温度差は、ときにはトラブルになり不幸な結果を招きます。
互いに良好な関係が続くことを望みますが、難しいのが現実です。なぜ互いに温度差ができるのでしょう。
温度差を埋めるためには、互いの理解と協力が必要です。しかし、経営者と従業員は守るものが違います。それぞれが守るものを優先させ、主張が強くなり人間関係が崩れると温度差ができます。
では、経営者と従業員はどちらが強い立場でしょう。勿論、経営者です。経営者は雇用の権限を持ち賃金を払う立場だからです。法律を守る義務はありますが、強い立場であるが故にトップの覚悟が問われます。
経営者の覚悟が従業員の理解と努力を生み、「ついていきたい」経営者になり温度差を無くしていけるのです。
経営者と従業員、互いに何を守るのか
経営者は会社を守る
経営者は、必ず会社を守ります。確かに、会社を守らなければ従業員は守れません。しかし、会社と従業員を天秤にかけると、会社を選択します。
経営が苦しくなれば、雇用調整をします。従業員は弱い立場です。
特に、家業の考え方であれば、経営は家族と親族のためであり従業員は後回しです。自分たちの利益を優先するので、従業員の生活は考えていません。
このように、経営者は最後に守るのは会社なのです。
従業員は生活を守る
従業員は何を守るのでしょう。勿論、自分の生活を守ります。しかし、自分の生活を守るためには会社がなければ守れません。
そのために、経営者の無理も受け入れようとします。それでも限界はあります。限界までは辛抱します。
従業員は働く会社を選ぶ自由を、権利としてもっています。しかし、現実問題として転職は容易いことではありません。個人の事情があり、今までと同じ条件で働けるとは限りません。
何より、今の会社で一生懸命頑張ってきたのと、会社が良くなって欲しいとの想いをもっています。
・経営者は従業員より強い立場。
・だから、互いの理解が必要。
温度差ができる理由
経営者は孤独だと思っている
「経営者は孤独だ!」と考えている人は少なくありません。それは、「経営の判断は従業員が理解できるものではなく、理解を得なくても意思決定しなければならない。だから経営者は孤独だ。」と考えているのです。
しかし、本当に事実なのでしょうか。その判断に至るまでに、やるべきことを「やった」のでしょうか。
何よりも必要なのは、従業員と話し合い、意見交換をし、従業員の理解と納得を得て判断したのかが問われます。経営者は孤独と勝手に思い込み、従業員が納得できない進め方では、温度差ができるのです。
従業員には不安がある
弱い立場の従業員には不安があります。「このまま続けられるのか、評価されていないのではないか、解雇されるのではないか」等、いつも経営者の顔色を見ながら働いています。
だから、経営者は従業員を安心させ、共に努力していく姿勢が必要なのです。
経営者は従業員の不安に寄り添い、従業員を守る努力が必要です。そして、従業員に求めることは「求める」、求めてはいけないことは「求めない」、この姿勢をもてばいいのです。
法律を遵守し、従業員と相談しお願いすることは「お願いする」でいいのです。互いの理解と協力がなければ、温度差はできます。
部下が望む「ついていきたい」トップの覚悟とは
従業員を守る覚悟
確かに経営者は立場が違います。しかし、それを理由に「経営者は孤独だ」と思い込み、従業員の理解を得られない判断は適切ではありません。
従業員の理解と協力を得て互いに納得できる行動が求められます。
従業員も経営が難しく厳しいことは解っています。解っているからこそ納得できれば協力したいと思っています。
だから、経営者は従業員に寄り添い、従業員を守る「覚悟」が必要なのです。その覚悟が伝われば「ついていきたい」経営者として努力は惜しみません。この信頼関係が経営を支えていくのです。
従業員に役割や目標を与え、育てる覚悟
従業員は、「ついていきたい」経営者には精一杯協力します。そして、努力も協力もします。役割や目標を与え、会社への貢献をお願いすればいいのです。
ただし、役割や目標が達成しなくても攻めてはいけません。互いに相談し努力を評価しましょう。そして、達成できるためのアドバイスやフォローが必要です。
互いの理解と納得は欠かせません。従業員は必ず成長し成果に近づきます。その時には、正しく評価しましょう。この積み重ねの「覚悟」が経営者には必要なのです。
まとめ
経営者と従業員の温度差は、どんな会社でもあります。原因は、互いの理解と協力に欠けているからです。
従業員は弱い立場ですが、経営が難しく厳しいことは解っています。解っているからこそ納得できれば協力したいと思っています。経営者が理解しておくべきことです。
経営者に必要な「覚悟」とは、従業員を守り・育てる覚悟です。その覚悟が伝われば「ついていきたい」経営者として努力は惜しみません。
この信頼関係が温度差をなくし、経営を支えていくのです。
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