あなたは部下に「言ってはいけない言葉」を使っていませんか?
・言っていいこと悪いことの分別ができない上司
・このぐらいは言っても構わないと勝手に思い込んでいる上司
・自分たちはもっと厳しくされてきたと経験を正当化している上司
・・・上司の無責任が部下を追い詰めてます。
しかし、「言ってはいけない言葉」は言葉の暴力、人の人生を奪うこともあります。ときにはトラウマになり、部下は一生背負わなければいけません。
また、その一言が部下を追い詰め、思いもよらない不幸な結果を招くことも理解しなければいけません。このような場合、上司は責任をとれるのでしょうか。
ここでは、部下に言ってはいけない⑩の言葉とその理由は何なのか。また、上司はなぜその言葉を使うのか。そして、部下をヤル気にさせる指導と対応についてまとめました。
読み終えると、部下の気持ちを読み取り上手な部下の育て方が理解できます。そして、会社の財産である従業員に尊敬される上司になり、会社からの信頼も厚くなっていくのです。
部下に言ってはいけない⑩の言葉とその理由
部下に言ってはいけない ⑩ の言葉
日頃、何気なく口にする言葉に、部下に言ってはいけない言葉が潜んでいるかも知れません。あたりまえと思っていた言葉が、部下に取れば傷つく言葉かもしれません。
10の部下に言ってはいけない言葉を紹介します。
1.だからダメなんだ
ただ漠然と否定される言葉です。何がどうダメなのかもわかりません。だめだという前に、具体的にどこがどのようにダメなのか説明する必要があります。
2.ヤル気があるのか
一生懸命頑張った結果、その気持ちを否定する言葉です。頑張ったことの評価もなく、どこに問題があるのかの説明もありません。
3.同じことを二度言わせるな
だれでも覚えることは苦手です。ましてや若い人ならば、慣れることで精一杯です。わざと間違っているのではなく、慣れていないために覚えきれないのです。
4.もうやらなくていい、オレがするから
ダメ押しの言葉です。精神的にも追い詰められても不思議ではありません。努力だけでなく、存在を否定する恐ろしい言葉です。
5.口ばっかり
多分、理解したと言った割には、できなかったときの罵声でしょう。多少の理解不足はあったかも知れませんが、上司には部下が理解できていないという結果は想像できたかも知れません。
6.体質が悪い
体質とは性質や特徴を意味します。体質を否定されると、その人の本質を否定し存在も否定します。その人は行き場を失くし、社会復帰さえ危ぶまれる結果に成り兼ねません。
7.なぜできない
できないことを否定する根本的にまちがった言葉です。できるように教え指導するのが上司の役割です。上司の業務怠慢と判断されても当然の発言です。
8.どうしようもない奴だ
良いところが一つもないと解釈されます。上司が部下の特徴や強み弱みを何一つ見つけようとしていない結果です。上司の能力不足が赤裸々になる言葉です。
9.言われたことだけやれ
部下を、自分では何もできないと評価しています。または、良くできる部下に対する嫉妬や妬みかも知れません。部下の評価や裁量を否定する言葉です。
10.役に立たない
役に立つとは仕事ができることを意味しています。上司としてどこまで期待しているのか、不透明であやふやです。上司の勝手な尺度であり、部下を致命的に傷つける言葉です。
その言葉で部下は何を感じるのか
1.人格を否定され追い詰められる
人格の否定とは、その人の持っている性格や本質を否定することです。人格否定をする上司の特徴は、
② 助言ではなく、厳しい言葉で攻撃する。
③ 価値観の違う部下を絶対に認めない。
④ 理論的な説明が苦手で、感情的に行動・発言する。
これでは上司として、人間的にも能力的にも相応しいとはいえません。部下はヤル気を無くすだけではなく、精神的にも耐えがたい状況になり何が起きても不思議ではありません。人格を攻撃する行為は、あってはいけないことです。
2.頑張っても評価されないと諦める
部下は頑張っても評価されないと感じたとき、どのような思考と行動に移るのでしょう。当然、自分を責める自己嫌悪にもなります。
病的症状に陥るかも知れません。また、上司に対する不信と不満が募ります。最後にヤル気もなくなり、会社を去ります。
だれがどのように責任を取るのでしょう。また、責任が取れるのでしょうか。部下に言ってはいけない言葉が、人を追い詰め責任の取りようのない事態になっていくのです。
一言の恐ろしさは、知らなかったでは済ますことのできない責任が伴います。
3.この会社にいても将来はないと希望を失う
会社を選び入社する人が、直ぐに辞めてもいとはあまり思わないものです。できるだけ長く勤めて、会社に必要とされ生活設計を組み立てるのが普通です。
しかし、言ってはいけない言葉が原因で会社に将来を感じず辞めていくことは、決して本人が望んでいる人生ではありません。極めて不幸としか言いようのないことです。
会社にも影響は及びます。「あの会社はすぐに人が辞める。ブラックな会社だ」等と、世間の評判は悪くなります。勿論、辞めていく人は良い会社だとは言いません。
会社の悪い評判はすぐに広がります。優秀な人材は敬遠し、取引先からも「人を大事にしない会社」だと評価され、取引上の信頼度に支障をきたす場合もあるのです。
言ってはいけない言葉は、従業員の夢を奪うだけでなく、会社の信頼や将来性まで奪い兼ねません。
・頑張っても評価されないと諦める。
・この会社にいても将来はないと希望を失う。
部下をヤル気にさせる評価と指導
優れた評価・指導とは
1.正しい評価とは
本来、上司は評価し指導しなければいけない立場です。個人的・感情的な評価ではなく、会社のルールに基づかなければいけません。評価の内容は幅が広く、偏りのない評価が必要です。
項目としては、
これらの項目に対して評価・指導が必要です。点数をつける目的だけではなく、その人の強みを伸ばし、弱みを補うためです。
2.正しい指導方法
指導には順番があります。すぐに結果を求めることや順番を間違うと部下は混乱します。部下が正しく理解するためには、決して急がず丁寧な説明が必要です。
②途中経過を確認する。
③結果に対してアドバイスする。
④新たな目標を決める。
3.指導者として必要なこと
指導する立場には、指導力と責任が伴います。指導力は、部下の能力開発や将来を決定する作業でもあります。上手に教えることは難しいことですが、根気よく教える努力は求められます。
②理解できるように丁寧に説明できるか。
③思いやりをもっているか。
具体的な行動
部下を育てヤル気をもたせるためには、安心して働くことができる職場の環境が必要です。
そして、正しい評価を得ることで会社働くことに夢と希望をもてることです。
この環境には、会社や上司との人間関係が良好である必要があります。良好な人間関係は信頼関係となり、部下のヤル気とモチベーションを高め効果的な成果を得ることができます。
1.努力を評価する
結果ではなく、まず努力を評価しましょう。できなかったことには、自信を無くしているかもしれません。結果を責めずに自信を持たせることが必要です。
2.理解できるように説明する
わかるように説明しましょう。理解できていなことがあったために、できなかったのです。どこが理解できなかったのかを見つけなければ、指導者とは言えません。
3.やり方の工夫を指導
どのようなやり方をしたのか確認しましょう。少しヒントを与えながら、工夫の仕方を教えましょう。視点を変えれば、考え方の整理ができます。
4.時間を与えて落ち着いて取り組む
急がせてはいけません。スピードには個人差があります。みんなに同じスピードを求めると、逆に自信を無くします。その人ペースでやらせましょう。
5.一緒にやってみる
たまには、一緒にやってみましょう。上司がそばにいると心強いものです。プレッシャーになりますが、頑張ろうとする気持ちは強くなります。
・指導者は指導だけでなく、部下に寄り添う指導が求められる。
上司はなぜその言葉を使うのか
では、部下に言ってはいけない言葉をなぜ上司は使うのでしょう。使わなければいけない理由があるのでしょうか。使う必要性など全くありません。上司の個人的で勝手な理由です。
1.仕事のできない人は不要
2.自分の思い通りにならないと気に入らない
3.部下を育てる気がない
4.イヤなら辞めればいいと思っている
5.自分は優秀だと思っている
6.不都合があれば部下に八つ当たりする
このように、上司として許しがたい理由で、部下に言ってはいけない言葉を使う場合が多いのではないでしょうか。
モラルと常識のある上司は、決して使う言葉ではありません。「言葉の暴力」に対する認識が低く、責任感のない意識が原因となっているのです。
確かに、部下にも問題はあると思います。しかし、上司という立場と人間として良いこと悪いことの区別は社会人としての常識です。仮に部下に問題があるのであれば、会社としての正しい指導方法があるはずです。
まとめ
言ってはいけない言葉の裏側には、しなければいけない上司の責任を放棄しています。一言で片づける無責任さが、部下を追い詰めていき部下の人生を変えてしまいます。そんな権利は上司にも会社にもなく、責任の取りようのない結果を招く場合もあります。
これは、上司と会社の責任問題です。部下に責任はありません。信頼され、尊敬される上司になってください。
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