「あなたのためよ!」の一言は、なぜ相手を傷つけ追い詰めるのか

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まわりに悩んでいる人や困っている人がいると、アドバイスをして「あなたのためよ!」と言っていませんか?

相手のために言っているつもりでも、相手は「私のことを心配してくれている」とは思えないことがあります。

親切心のつもりでも「余分なお節介」と感じ、逆に相手を傷つけ追い詰める結果になってしまいます。

なぜなのでしょう。そこには相手を理解せずに、自分の考えを押し付けている「自負」があるのです。本当に相手のためを思うなら、何が必要なのでしょうか。

「私に責任がある!」と感じる

「あなたのためよ!」と言ってあげると、きっと相手は「私のために言ってくれている」と思ってくれる・・・そう思っていませんか。

これは大きな間違いです。「あなたのためよ!」と言われると、「私に責任がある!」と思ってしまうのです。なぜなのでしょう?

相手のためにと思って「あなたのためよ!」と言っているのですが、

⇒私は出来ていないと言われている
⇒それは私が人より劣っているから
⇒だから「私に責任がある!」

このように思い込んでしまうのです。被害妄想なのかもしれませんが、親切心での一言が、相手を傷つけ追い詰める結果になる場合もあり得るのです。

では、どのように考え、どのように対処すればいいのでしょう。

この問題は、社会の一員として人間関係を尊重し、人の上に立つリーダーとしての資質を備える上で重要な考え方でもあるのです。

「あなたのためよ!」は相手を傷つけ追い詰める言葉

だから、「あなたのためよ!」は相手を傷つけ追い詰める言葉なのです。

過去の経験から、「あなたのためよ!」と言っているのかも知れません。しかし自分の経験が、すべて相手に当てはまるとは限りません。人には個人差があります。適しているか否かは個人差があるのです。

その個人差に配慮せず進めているのであれば、進める人の「自負」ではないでしょうか。

自負とは、

「自分の才能や仕事の進め方・考え方に自信をもち、誇らしく思っている」ことです。

この自負による「あなたのためよ!」であるならば、人の個人差を考えていなことになり、結果として相手を傷つけ追い詰める言葉になっているのです。

本当に相手を理解しているのか

勿論、相手のために・・と思い「あなたのためよ!」と言っているのだと思います。しかし、前述した「自負」であれば、相手のためではありません。自己満足ではないでしょうか。

重要なのは、相手を本当に理解しているのかです。

・相手の性格や考え方
・強みや弱み
・隠し続けなければならない経験や心の傷
・本人が一番望んでいること 等々・・・

今まで歩んできた道のりを理解してあげなければ、相手の心には届きません。逆に、「余分なお節介」にしかならないのです。

とはいえ、相手を理解することは難しいことです。興味本位で接すると、相手の心に土足で入り込む結果になってしまいます。

そんなときは無理に理解しようとせず、まずは「相手のことを知りたい」と思う気持ちを持つことです。「理解する」と「知る」は違います。相手を知って、初めて理解できるからです。

納得できない思いやりは「押しつけ」

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人は何かを決める時には、決めた内容に納得した場合です。時には納得せざる得ない場合もあります。特に自分に自信がない人は、自分が納得しなければ不安なのです。

相手が納得できない思いやりは、思いやりとは感じず「押しつけ」と感じます。よくよく考えると、自負による押しつけになっているのではないでしょうか。

「なんとかして力になってあげたい!」という気持ちは大切です。しかし相手が納得できなければ「決めつけの言葉」にしかなりません。そして信頼を失い相手を追い詰める結果になってしまうのです。

「あなたのため」と思うなら、考える「機会と時間」を与えること

では、どうすれば良いのでしょう。

大切なことは、相手に考えてもらうことです。そのためには「いろんな考え方」を説明してあげることです。相手に考える「機会と時間」を与えなければいけません。

例えば、

このように考えると、このようになる。
逆にこのように考えると、結果はこのように変わる。

相手が想像していないケースを例に挙げ、気づかせることから始めるべきです。これが考える「機会」を与えることです。

そして時間を与え、自分で納得のいく答えを見つけ出せればいいのです。勿論、何度もフォローが必要になるかも知れません。すぐには答えが出ないと考えるべきでしょう。

プライベートでも職場でも、人間関係は難しく壊れやすいものです。特に職場では、誰もが仕事に追われ余裕がありません。しかし、そんな環境だからこそ人間関係は大切なのです。

前に進むことができる人、取り残される人、脱落し去っていく人、社会の中では様々です。

しかし、社会の一員であるならば、少なくともまわりと協調し仲間を助けることができる人になっていきたいものです。

まとめると、

1.「あなたのためよ!」と言わない
2.自負は押し付けになり、相手は納得しない
3.相手に考える機会と時間を与える

このような考え方こそが、人の上に立つリーダーとしての資質を持つ人ではないでしょうか。

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