全員に責任があるとき、リーダーは部下に何を求めるべきなのか

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会社の中では、ミスがあります。ミスは誰にでもあり、ある意味では避けて通れないことです。しかし、ミスには許される場合と、責任が問われる場合があります。

また、一人で起こす場合や全員で起こす場合があります。

ミスに対して「犯人捜し」する人もいます。この「犯人捜し」がリーダーの仕事ではありません。ミスの原因を究明し、繰り返さないために部下に教えることが重要なのです。

今回の【事例】は全員に責任がある「連帯責任」の事例です。全員に責任があるときに、リーダーは何を求めるべきなのかを考えます。

そして、「責任は私にあります!」と発言する人がでてきます。なぜこのような状況で発言できるのでしょう。そして、会社はどのように評価するのでしょう。重ね合わせて考えていきます。

 

事例から学ぶ

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会社である問題が起きました。
私が経験した実際の話しです。

原因は誰に責任があるではなく、組織として意思疎通ができていなかったのです。
経営者は30名ほどの各セクションの責任者を集め、大声をだし怒りました。

「なぜ、このようになったのだ!」
「どこに問題があったのだ!」

経営者は特定の人に言うのではなく、全員に伝えました。
勿論、だれも発言できるような雰囲気ではありません。

経営者の怒りは続き、頂上に達したそのとき・・・、

一人の若い責任者が立ち上がり、

私に責任があります!申し訳ございません!」

と、深々と頭を下げ謝りました。
会議室は一瞬、血の気が引くような雰囲気になりました。
すると、

各責任者が次々と立ち上がり、
「私に責任があります!申し訳ございません!」

と、言いだしました。
この先、どのような結果になるのか、誰にも想像もつかず考える余裕もない時間でした。

突然、経営者は人が変わったように、優しい言葉で説明を始めました。
起ったことではなく、どのように考え対応すべきかを説明したのです。

説明が終わると、経営者はその件には、二度と触れることはありませんでした。

 

リーダーは部下に何を伝えたかったのか

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1.責任責任追及ではなく価値観の共有

「犯人捜し」をしていたのではありません。それぞれが責任を自覚していないことに気づかせたのです。経営者は、全員がこの価値観を共有することに期待していたのです。
一人の若い従業員の行動は、その場を無事に収める行動ではありません。責任と自覚をもった動ができていなかった反省であり、正直に認める勇気だったのです。

何に価値があるのかが、価値観です。互いに価値が違うと、仕事の優先順位も変わります。全員が価値観を共有できれば、仕事の優先順位や重要性も共有できます。

そして、その価値観に全員で責任をもたなければいけません。「誰かがやるだろう」では責任を放棄しています。そのためには、互いの小味は不可欠です。

 

2.人ごとではなく、人の責任にしない

直接の担当や仕事でなくても、仕事はどこかでつながっています。人ごとで自分に関係ないと思い、人の責任にしてはいけません。「自分のこと」として考える必要があります。

人ごとと思うと、間違っていることに気づいても「自分のことではない」と思います。そうなると、自分の責任ではないと思います。防げるミスも防ぐことができません。

 

3.互いに関心をもち、他人任せにしない

自分のことしか考えず、他人に関心をもたないのは組織人ではありません。互いに関心をもつことで、互いの理解は深まります。

「余分なことは言わない方がいい」とか「他人のこと」と考えてしまいがちです。気づいたことを伝えるのも大事な責任です。

 

このような場合も、連帯責任と考えるべきではないでしょうか。

 

自覚があるから「責任は私にあります!」と言える

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1.自分の行動に責任と自覚がある

「責任は私にあります!」と言える勇気は、簡単ではありません。しかし、行動に責任と自覚のある人には勇気があります。

仮に、自分自身にすべての責任がなかったとしても、自分を改める意識があります。

自覚とは、自分自身をはっきりと知ること・・です。

人にはプライドがあり、謝ったり改めたりする行為を嫌います。自分の間違いを認めたくありません。ましてや、人前で謝る行為はプライドが許しません。

自分の行動に責任と自覚がある人には、保身のためのプライドには価値を感じていません。

 

2.言い訳や責任逃れをしない

言い訳や、責任逃れはしません。責任逃れをすれば、その責任は他人にもたせる結果になり、無責任な行為です。責任を認め次に進んでいける実力と自信をもっています。本当の意味での実力者です。

3.自分を改める勇気がある

スキルを磨き、レベルアップしたいと考えています。そのためには、自分の間違いを改める勇気が必要であると思っています。謝ったり改めたりする行為には何の抵抗もこだわりもありません。

行動に責任と自覚のある人には、自分を改める勇気があります。

 

会社はどのような評価をするのか

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1.会社は責任と自覚のある人を必要としている

会社は、仕事を任せなければ経営にはなりません。信頼して仕事を任せる人が必要です。信頼できるとは、どのような意味なのでしょう。

仕事に対し責任と自覚があり努力を続け、会社が認める方法で成果を求める人です。成果のために、違法や不正な行為は認められません。会社の信頼に関わるからです。

2.正しい行動には責任を問わない

失敗や間違いがあったとしても、責任と自覚をもち正しい行動には責任を問いません。勿論、失敗や間違いは誰も望んでいません。しかし、会社はその内容を評価します。正しい行動から起きた結果であれば、責任を問うことはできません。

会社のルールを守り、その結果の失敗や間違いは、会社のルールに問題があるからです。仮に責任を問われるのであれば、従業員は信じるものがなく安心して働くことはできません。

言い換えれば、責任と自覚をもちルールを守れば、恐れることはないのです。

3.会社は「嘘をつく人・ごまかす人」を見抜いている

人の評判は人から人へ伝わり、すぐに耳に入ります。会社も同じで、従業員の評判も会社に伝わります。一生懸命仕事をする人や、嘘をつく人・ごまかす人の評判も会社の耳に会社に伝わります。

しかし、間接的に会社が知る情報は、直接的な評価としては扱えません。潜在的な評価として残ります。

会社は、その人の実際の行動を評価します。その結果として、「嘘をつく人・ごまかす人」を見抜いているのです。

会社は、責任と自覚のある人を必要としています。実際の行動は、会社にとって大きな判断基準となります。

 

まとめ

「責任は私にあります!」と言えることが求められているのではありません。会社は責任と自覚のある人を必要としているのです。責任と自覚が会社を支えているからです。

会社に好かれようと思わず、自分を磨き成長するために責任と自覚はもつべきです。

会社は信頼を寄せ、更に信頼関係が増せばチャンスは広がります。社会の一員として、職場で自信をもって行動できる人を目指しましょう。

 

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