人を育てる会社の教育とは?従業員は何を望んでいるのか

画像①

会社は従業員を育てようとします。従業員が戦力となり、会社の業績を向上することを望んでいるからです。

従業員を育てるためには、いろんな教育があります。

例えば、
厳しく指導する。
資格を取らせる。
外部講師による講義や講習を開催する。

しかし、このような方法だけで従業員は育つのでしょうか。本当に大切なことは一体何なのでしょう。

厳しく指導しても、感情的になり反感が残ります。勉強をさせ資格を取らせても、「押しつけられている」と感じます。講義や講習を開催しても、職場に戻ると現実が待っており「解決策」が見出せません。

これでは従業員を育てる教育とは言えません。むしろ、逆効果になり信頼関係を失います。

 

1.従業員を理解し、認める。
2.従業員が何を望んでいるかを知る。
3.従業員に寄り添い、互いの理解を深める。

 

「寄り添う」教育は、従業員の存在や価値を認め、頑張ろうとする気持ちやモチベーションを高めます。そして、成長していくための目標を持つことができ自主的な行動につながります。

本当に従業員を育てたいと考えるのであれば、人に寄り添い「育てよう」とする気持ちと行動、日々のコミュニケーションからの上司と部下の人間関係を築く「会社風土」が重要なのです。

従業員は何を望んでいるのか

画像②

自分を認めてくれる会社に希望を持てる

従業員は、どのような教育を会社に求めているのでしょう。

会社は、「厳しく接しても本人は成長を望んでいるはずだ」と思い込んでいます。確かに全くの間違いではありません。しかし、従業員の望む優先順位は違います。

最初に従業員が望んでいるのは、自分自身の「存在価値」を認めて欲しいのです。何故なら、いくら会社が「成長」を望んでいたとしても、「存在価値」を認められなければ「使い捨ての道具」だと感じるからです。

厳しく接し過ぎると、「お前の代わりはいくらでもいる」と感じてしまいます。しかし、人を尊重し自分の存在を認めてくれるのであれば、「この会社で頑張ろう」と思えます。

従業員にとって最初に望んでいるのは、「自分の存在価値を認めてくれる」ことなのです。

迷いや疑問を解決できる指導を望む

次は、迷いや疑問を解決できる指導を望んでいます。誰でも一人で、全てを解決できるわけではありません。そんなときには上司や会社の助けが必要になりますが、その助けや指導のあり方が重要です。

部下が理解し納得できる説明が必要です。充分な説明をせず一方的な押し付けや命令では「迷いや疑問を解決」にはなりません。

部下は、迷いや疑問を解決できる「助けや指導」を望んでいるのです。その気持ちを理解しなければ、納得のできる説明にはなりません。

失敗を怖がらない勇気と行動力を持ちたいと思う

最後に、勇気と行動力を持ちたいと望んでいます。誰にでも失敗はありますが、解っていても失敗を恐れています。

失敗をすれば責められると感じると、精神的にも委縮し行動できません。だからこそ上司のフォローが必要です。

失敗を上司がフォローしてくれると思えば、部下は失敗を怖がらない勇気と行動力がもてます。そして信頼関係が築かれ、より成果に近づくことができます。

本当に実力のある上司であれば、部下の失敗は簡単にフォローできるはずです。何故なら部下の仕事は、上司として経験してきた仕事のはずだからです。

なぜ従業員に「寄り添う」教育は人を育てるのか

画像③

1.部下が部下が納得して理解ができる

人は年齢に関係なく、成長し続けるものです。勿論、新入社員とベテラン社員は学ぶべき内容が違います。

成長を続けるためには、本人の意欲と努力は欠かせません。しかし、その意欲と努力を生み出すのは、「職場環境」なのです。そのためには、上司の部下への接し方が重要です。

上司の丁寧な説明が、部下の理解を深めます。上司は感情的にならず、部下が何を理解していないのか見極めなければいけません。部下もどこが理解できないのかを伝えなければいけません。

部下が納得し理解ができれば、意欲が湧き努力を続けようとする気持ちになります。部下が納得して理解ができる環境を作ることで、意欲や努力を生み出す教育こそが、部下に「寄り添う」教育なのです。

2.上司との人間関係が築ける

「あの人のために頑張れる」という言葉を聞きます。これは、「信頼してよかった」と思えたからこそ言える言葉です。

人は簡単に他人を信頼できるものではありません。小さな信頼が積み重なってこそ、大きな信頼を築いていけます。この信頼が人間関係です。

部下は、この人間関係を求めたいと思っています。また、上司は人間関係を築きたいと考えています。

しかし、互いの人間関係を築くためには、まず上司のリーダーシップが必要です。上司が部下を引っ張っていかなければ成立しません。部下には権限や選択権がないからです。

従業員に「寄り添う」教育は、上司のリーダーシップがあってこそ始まります。そして、上司の小さな積み重ねが、「あの人のために頑張れる」という部下の望む信頼と人間関係を築いていけるのです。

3.会社の人材育成が計画的にできる

会社にとって、計画的な人材育成は不可欠です。次の世代に会社を託していかなければ、会社の永続的発展にはなりません。「人材育成を計画的に進める事は、経営の使命でもあります。

本来ならば、人材は「人財」と書くべきです。材料ではなく財産だからです。だからこそ、従業員は会社が責任をもって育て、会社の財産にするべきです。

必要な人材は、ヘッドハンティングや募集をすることもできます。しかし、特殊な技術や能力をもつ人以外は、会社で計画的に育てる必要があります。従業員が会社に愛着をもてば、より効果のある人材育成が計画的にできるからです。

4.部下の正しい評価ができる

部下の正しい評価は本人にとって重要です。何が評価され、何を改善するのか「目標」がもてるからです。正しい評価をする会社では、従業員は頑張ろうとします。勿論、会社は部下だけではなく上司の評価も正しくなければいけません。

このように、正しい評価が次の目標を明確にすることができます。そして、従業員は会社との信頼関係をもつことで、次の目標にチャレンジでき成長します。

従業員に「寄り添う」教育は人を育てるだけではなく、会社にとっても大きな成果をもたらします。会社や上司は従業員に、時間をかけ焦らず「寄り添う」ことが重要なのです。

間違いだらけの会社の教育とは

画像⑤

「自分で考え、行動させる」厳しい教育の落とし穴

「自分で考え、行動させる」・・・この考え方は決して間違ってはいません。間違っているとすれば、従業員の「心の動き」を理解できていない場合です。

誰でも「会社の期待に応えたい」と思います。だからこそ弱音を吐かず頑張ろうとします。しかし、限界になれば歯車は狂います。

「自分で考え、行動させる」だけでは、従業員の「限界」に気づきません。しかし、「寄り添う」ことでその「限界」に気づき、歯車が狂う前に精神的なサポートができます。

たとえ歯車が狂わなかったとしても、従業員は何時しか「自分を守る」方法を覚えてしまいます。この「保身」が身に付いてしまうと、成長はできません。自分を守るための仕事のやり方になってしまうからです。

「自分で考え、行動させる」教育には、思わぬ落とし穴があります。そして、会社や上司が気づかないうちに、従業員はどんどん将来性を奪われていくこともあるからです。

「講義や講演」は動機付けでしかない

会社は「講義や講演」を良く行います。経験豊かな講師の話を聞けば、意識や行動が変わると期待するからです。確かに意識改革の動機付けになるかも知れませんが、動機付けで終わってしまう場合もあります。

外部から招く講師は、会社とは関係ない立場です。講義や講演は、講師として自由にできます。外部講師は「それなり」の理屈や理論がありますが、効果が長続きしない理由があります。

1.「なるほど!」と思えるが、新鮮さは続かない

確かに、講義や講演を受けた後は「なるほど!」と思います。新鮮で刺激的な話には感動します。話し上手でわかりやすい人は特に印象が強く、話しを聞くと「自分もできる!」と思えるのです。

しかし、講義や講演だけで「自分もできる」とは限りません。そのときは「できる」と感じても、話を聞いただけでは困ったときに相談できる相手がいないからです。

2.職場に戻ると現実が待っている

話しを聞いた後は、「もっとやり方や考え方を変えよう!」と思えるのです。しかし、職場に戻ると簡単にはいきません。「変える」にしても、何をどのように「変える」のか悩みます。今まで重ねてきたやり方や考え方には理由があるからです。

職場には「現実」があります。「変える」にしても理由も必要で、一人の力ではどうにもなりません。このように現実問題として、講義や講演だけでは解決できないのです。そして、意気消沈し、やる気も冷め現実に戻ってしまいます。

3.具体的な行動が見えず効果がでない

現実に押しつぶされ、モチベーションが下がってしまうと効果はありません。具体的にどのような行動をすればいいのかが、見えてこないためです。

組織は一人で動かすことができず、みんなの理解と協力が必要です。また、立場や権限がなければ、みんなからも相手にされません。

折角、良い話しを聞いても「聞いただけ」で終わってしまいます。刺激を与え意識改革をする目的からは遠ざかってしまいます。何が不足し、どこに問題があるのでしょう。

結論は、従業員に日々「寄り添う」環境ではないからです。相談ができずフォローをされることもないからです。このように「講義や講演」は動機付けで終わってしまいます。

 

まとめ

人を育てる会社の教育とは、まず従業員が何を望んでいるのかを知ることから始まります。そして、日々「寄り添う」ことが信頼関係を気づいていきます。

従業員は自分の存在を認めてもらい、迷いや疑問を解決できる説明を望んでいます。何故なら、失敗を恐れず勇気をもてるからです。

会社は従業員の「成長」と「成果」を求めます。しかし、その前に会社や上司としてやるべきことがあるのではないでしょうか。従業員は「人材」ではなく「人財」であり、会社の財産として育てていく必要があるからです。

 

 「仕事の悩み・不安」や「仕事のサポート」は、
下記のサイトからご相談を承ります。
お気軽にご連絡下さい。

仕事の悩み・不安・人間関係等ご相談をお伺いします 「心の声」を言葉にすれば、不安が消えない毎日が前に進む!

飲食店・小売店に特化したお仕事をサポート致します 課題や問題・起業準備・人材育成・戦略戦術等、ご相談を賜ります

コメント