従業員を守る5つの責任【法律の正しい理解は経営を育てる】

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「部下を守る」という言葉があります。経営者は従業員を雇用し、労働の対価として賃金を渡します。労働者は労働の義務を果たし賃金を受け取ります。

この経済活動の仕組みの中に深い意味と重い責任があるのです。

では、従業員の何を、どのように守るのでしょう。深い意味と重い責任が理解できなければ、本当に従業員を守ることはできません。同時に経済活動は成り立ちません。

「従業員を守る」は、従業員を「人」として守り、法律上部下の権利を守るという意味です。

ここでは、具体的に人道保護、法令順守の「従業員を守る」考え方をまとめました。

経済活動には従業員が必要です。経営者として上司として、そして「人」として部下を守りましょう。

従業員を守る5つの責任と、従業員を守る法律

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何から従業員を守るのか

会社にも上司にも従業員を守る責任があります。何から従業員を守るのかを理解しておかなければいけません。次に守る目的は何なのでしょう。

目的は従業員を保護することにより、健全な経営と従業員の安全安心を確保するためです。経営には従業員を守る5つの責任があります。

1.肉体的健康と精神的健康

健康は心身の健康です。従業員が心身ともに健康でなければ、経営も雇用も続きません。「人はいくらでもいる」このような考え方では、従業員は安心して働けず成果もでません。

2.安心安全

職場は安心安全を求められます。職種によっては危険が伴います。しかし、労働災害が起きれば、従業員の生活だけでなく人生も奪うことにもなります。安心安全の確保は会社の責任です。

3.能力の管理 

従業員のヤル気と能力を上げ、会社が成果を得るにはスキルアップが必要です。ただ働くだけでは従業員もヤル気はでません。会社は従業員を育てる責任があります。

4.雇用の継続

雇用の継続は従業員の生活保障であり、社会経済の安定には必要です。雇用は正当な理由がない限りは、継続義務があります。継続できるように指導するのも会社役割です。

5.給与の確保 

従業員の生活を守るために、経営は成果を求めます。会社の正しい経営が給与に影響します。従業員が生活していけるように、経営の舵取りに責任があります。

従業員を守る法律と経営の関係

経営の成果を求めるために、経営者は従業員を雇用します。しかし、側面ではいくつかの法律が保護しています。法律はルールを定めています。

しかし、ルールを守るためだけの理解では不十分です。法律の側面には、人道的・・人として認め、育て、接するという責任も含まれていると考えるべきです。

代表的な法律とその目的を知っておきましょう。

労働基準法

労働者の労働条件を定めた法律です。この法律は、会社から労働者への「強制労働」を禁止する目的もあります。また、労働者の権利や自由を保護しています。

職場では一番知っておくべき法律です。経営者と労働者の間で、問題が発生すれば労働基準監督所が判断します。会社はこの法律を理解した上で、経営を維持していくことが絶対条件です。

男女雇用機会均等法

女性を理由に、男性と労働条件等の差別的扱いを禁じた法律です。最近では、職場における妊娠、出産等に関する言動(ハラスメント防止措置)に規制を加え雇用管理上の正しい措置を求めています。

労働安全衛生法

労働者が安心安全に働く条件を定めた法律です。特に危険を伴う職種や作業を保護しています。健康診断等の受診義務も定めています。

労働者災害補償保険法

労働者が業務上災害に遭った場合の法律です。補償保険ですから、補償が伴います。業務上のケガで通院した場合に、承認されれば医療費の自己負担がなくなるのはこの法律です。

業務上の業務災害と通勤上の通勤災害があります。適合すれば、通勤上の災害も補償の対象になります。

健康保険法

サラリーマンがケガや事故で通院・入院した時に対応する法律です。保険法ですから、保険機能があります。業務外にも対応する一番身近でよく利用する法律です。

国民健康保険法は、健康保険法に加入できない自営業や退職者が加入する法律です。

厚生年金保険法

国民年金法と区別がつきにくい法律ですが、雇用関係がある雇用契約者で一定以上の所得者は、加入が義務化されています。

保険法ですから保険機能がありますが、健康保険法との兼ね合いがあります。将来の年金に関わる重要な法律です。

雇用保険法

雇用保険法は、労働者の生活及び雇用の安定と就職の促進のための法律です。会社を辞めた後、ハローワークで失業手当をもらえるのは、この法律です。

 

会社は法律を理解し、従業員にも教えるぐらいの理解度が必要です。
法律に触れる行為を隠す行為や、説明なく指示する行為は従業員の信頼を裏切ります。正しく理解し運用することが責任であり義務なのです。

従業員の人道的保護と法令順守は経営の骨格

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従業員は重要視される経営資源

経営は自社の持つ経営資源(人・物・金・情報・ノウハウ)を上手く活用し、いかに成果をだすのかが重要です。物を売ることで成果を得るのですが、物を考える、つくる、売るは人なのです。

従業員は経営資源の中では最重要の位置づけになります。

その重要な従業員を大切にしなければいけません。前記した部下を守る5つの責任と、従業員を守る法律の理解なくして経営は成立しません。

 

法令順守はルールに基づくことだけでなく、従業員を人道的に保護する意味も含まれています。

経営資源を育てる能力が経営能力

経営者には成果を上げる能力が求められています。成果は利益だけなのでしょうか。従業員は勿論、その家族や会社に関わる人たち、そして社会のために貢献するのが経営能力ではないでしょうか。

よく「家業と事業」と言われます。会社の規模や従業員数の違いではありません。事業の目的が違います。もしその目的が家族のためだけなら「事業」ではなく「家業」です。

法令順守で成果をだすのが経営

このように経営は、経営資源を上手く活用し成果をだす作業です。そしてその経営資源を育てるのも経営者の能力です。

最後は、法令順守で成果をだせるかが問われます。法律を守らずだす成果は、違法であり経営ではありません。

コンプライアンスは法令順守です。経営は法律を遵守し経営を行います。コンプライアンスを軽視し利益追求に走った結果、社会的責任を負い倒産に追い込まれる会社は少なくありません。法令順守で成果をだすのが経営者の責任です。

 

従業員は重要視される経営資源であり、経営資源を育てる能力が経営能力です。

経営能力は法令順守で成果をだすことが求められます。

人材育成に必要なスキルは会社を育てる

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従業員が望むのは、安心して働ける従業員満足度

毎日働く従業員は、毎日が不安で心配なのです。では、何がどのように不安で心配なのか、そして従業員に何が必要なのか考えてみましょう。

部下は毎日が不安

弱い立場の従業員は、毎日が不安です。仕事や人間関係が、気になって仕方がありません。そんな従業員の気持ちを察して、上司の心配りが不安を和らげます。

失敗を恐れている

従業員は失敗を恐れています。失敗したときに、信頼を失ったり怒られたりするのが怖いのです。失敗を恐れず、失敗しても安心させる上司の行動が必要です。

自分の評価が気になる

自分がどのように評価されているのか気になります。仕事ができない人のレッテルを貼られるのが心配なのです。評価を気にせず仕事ができる環境をつくりましょう。

何かあったときに守ってもらえるのか心配

守られていることを実感したいのです。何かあるたびに、おびえています。これでは仕事が手につきません。日頃から安心させてあげましょう。

安心して働ける職場は、仕事のレベルが高くなる

経営資源として一番重要な従業員のレベルが高くなれば、仕事も会社のレベルが高くなります。従業員の気持ちになって考えてみましょう。

勇気がもてる

勇気をもたせてくれる人が近くにいれば、勇気を出そうとします。失敗しても、フォローすればいいのです。フォローしてもらえるとわかれば、もつと勇気を出そうとします。勇気がもてれば、むずかしい仕事にも挑戦できます。

自信がつく

だれもが自信がありません。自信をもたせるのが、上司の仕事でもあります。自信をつけさせるためには、上司が寄り添う気持ちが必要です。自信がつけば、仕事を早く正確に処理できます。

頑張ろうと思える

勇気をもて自信がつけば、従業員は頑張ろうとします。上司としては嬉しいことです。勇気をもてるように、後押ししてあげましょう。頑張ろうと思えれば、積極的に仕事に取り組みます。

上司のムリも聞ける

従業員にムリをお願いすることもあります。信頼される上司であれば、快く引き受けてくれます。従業員にお礼をいいましょう。その一言で、ムリを聞いてよかったと思ってくれます。職場の信頼関係は向上します。

信頼される上司の条件

働きやすい職場をつくれば、従業員だけが成長するのではありません。上司の意識や行動も成長します。信頼される上司の条件をもてる人になれば、業績は自然に上がります。

1.部下を守る

従業員を守れない上司は信頼されません。従業員を守るためには、寄り添う気持ちが大切です。従業員を成長させ信頼関係を築いていきます。

2.嘘をつかず誠実

をつく必要などありません。正直に従業員に伝えましょう。あなたに実力があるなら、をつかずに問題を解決できるはずです。に気づいたとき、従業員との信頼関係は崩壊します。をつかれたことよりも、信頼してもらえなかったことの方が傷つくのです。

3.言い訳をしない

言い訳の結末は、上司の権限で押し切ってしまいます。これでは納得ができず、不信感が募ります。言い訳をする理由があなたのプライドならば、従業員よりプライドが大事と思います。正直に謝ればあなたの誠意を理解してくれます。

4.逃げたり隠れたりしない

都合が悪くなって、逃げたり隠れたりする上司は論外です。逃げずに立ち向かう姿勢を、あなたは従業員に求めていませんか?あなたの逃げない姿勢が伝わることを忘れてはいけません。従業員はあなたの姿を見て育つのです。

5.ぶれない軸と強い意志

いうことがコロコロ変わってはいけません。従業員は迷い不信感が募ります。ぶれない軸と強い意志に、部下はついていくのです。

 

従業員を守る5つの責任は、従業員が望む安心して働ける職場をつくり従業員満足度を高めます。

そして、安心して働ける職場は仕事のレベルが高くなり、従業員を守る経営が会社を育てます。
そのためには、信頼される上司になりましょう。

 

まとめ

従業員を守る5つの責任は、経営そのものを左右する責任でもあります。従業員を雇用する限りは、法律に準じなければ違法行為になります。

従業員は大切な経営資源です。法律は従業員を守りますが、同時に健全な経営に導き、人材育成に必要なスキルであり経営そのものも守ってくれます。

従業員の気持ちと取り巻く法律を正しく理解することが、経営には必要なのです。

 

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コメント

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