スーパーやコンビニに行くと、必ず隣り合わせに「お弁当とお寿司」は並んでいます。どちらも昼食には欠かせない存在であり、互いに昼食メニューの宿命のライバルです。
ライバルと敵は違います。常に向かい合って対立する「敵」とは違い、ライバルは互いに競い合い高め合います。相手の存在があるからこそ、自分の存在があるのです。
職場においても、「ライバルと敵」は存在します。
考え方や行動を間違うと、望まない関係になり自分を高めることはできません。ライバルと敵は人間関係に大きな違いがあるからです。
ライバルと敵の違いから考え方や行動の違いに気づき、自分を高める「競い方」を学ぶことができます。そして、誰もが悩んでいる人間関係を改善するヒントがあるのではないでしょうか。
ライバルと敵は違う
「ライバル」とは
②知識や技術を高め合い、互いのレベルを上げる
③同じ方向を向いている
④互いに信頼し、存在を認め合っている
ライバルは競い合いますが、お互いを認め合い助け合います。しかし結果として勝敗がついても、相手を見下すことはなく否定もしません。相手の健闘を称え、次は負けないように自分の努力を欠かせません。
ライバルは「相手の存在があるがゆえに自分がある」と考えます。互いに人間としての信頼関係をもち、不当な手段で傷つけ合うような行為はしないのです。何故なら、同じ方向を向き、目標が同じ「同志」だからです。
「敵」とは
②相手に危害を加え、相手の利益を阻害すると思われる人
③自分の好みや考えと異なる考え方を持つ人
敵は常に対立し、何かが起これば互いに攻撃し合います。勝敗がついた場合は、必ず優越をつけ相手より自分が優れていると周りの人にも示そうとします。
敵には信頼や尊敬はなく、自分の支配下になることを求めます。共存することはせず、「相手の存在を潰すことが自分の存在の証」と考えているのです。
誰もが敵よりライバルを望む
人はライバルと敵、どちらの関係を望んでいるのでしょう。勿論、敵よりライバルの関係を望んでいます。常に対峙し争わなければいけない「敵」より、互いに信頼関係をもてる「ライバル」になりたいと思っています。
当然ですが、敵よりライバルの方が互いにメリットがあります
しかし、ライバルになれず敵になってしまう場合があります。自分にとって相手が敵だとしか思えないとき、逆に相手が自分を敵だと思っているときです。
そんなときには必ず原因があります。その原因を理解し変えていこうと努力すれば、互いの関係は変えることができるはずです。
敵をつくる人の「競い方」
敵をつくる人は、自分のことを考えてくれる「仲間」ができません。そして本当に困ったときに、助けてくれる人もいません。
そして「競い方」も周りからも理解や共感を得ることはできません。「敵」を作る人の考え方が人間関係や信頼関係が築けないからです。
1.自分が一番優れていると思っている
敵をつくる人は、自分が一番優れていると考え、同時に証明しようと考え行動します。すぐに他人を攻撃し自分が優れていることを証明したいのです。
だから、自分より評価が高い人は許せないのです。まわりの評価が高くても、相手を低く評価し存在を否定します。近くで聞いていると、逆に「哀れ」に感じることがあります。
2.逆らう者は許せない
自分が一番優れていると認めて欲しいと思っています。それを認めない人は自分に逆らう者として許しません。攻撃し潰そうとします。
「自分に従うのが正しい、逆らうものは許さない」という考え方です。独裁者と言っても過言ではありません。協力や協調、相手を認めようとしないからです。
3.責任を取らない
全てにおいて支配欲が非常に強く、相手に対して「イエスマン」を求めます。勿論、自分に不利益なことは認めません。
その反面、自分が責任を取ることはありません。全て他人の責任にします。自分の非を認めれば、一番優れている立場には「君臨」できないからです。
4.相手の欠点を探し回り、足を引っ張る
協力や協調という考え方がないため、相手を褒めることはしません。褒めたとしても、口先だけで本音ではありません。
逆に相手の欠点を探し、足を引っ張ろうとします。相手を攻撃するためであれば、手段は選ばないという考え方です。
5.信頼関係は必要としない
信頼されたいとは思っていますが、相手や仲間を信頼していません。信頼できるのは自分だけです。だから信頼関係は必要としていないのです。
きっと信頼を裏切られるときの「恐怖心」を持っているのでしょう。言い換えれば「孤独」なのです。
ライバルの「競い方」は自分を高める
ライバルは敵とは違います。ライバルは同じ方向を向き、信じ合い認め合う関係です。そして知識や技術を高め合い、互いのレベルを上げる関係です。ライバルはどのような考え方をし「競い方」をするのでしょう。
1.相手の行動や考え方を否定せず尊重する
人は誰でも「他者から尊敬されたい、認められたい」と願う欲求があります。この欲求が妨害されると、劣等感や無力感などの感情が生じ「敵」として認識されます。
間違いは間違いと言うことは重要です。しかし、まずは相手を否定せず尊重することが、最初に求められる「ライバルになるための条件」なのです。
2.相手を妬まず、互いに補い合う
自分に無いものを相手が持っていると妬みます。しかし、自分のすべてを相手が持っていることはありません。相手に無いものを自分は持っているものです。自分だけの「良さや特徴」は必ずあります。気づいていないだけです。
それに気づけば、相手を妬む必要はありません。ライバルになるためには、互いに補い合うことが必要です。自分だけが持っているものを人に伝え与える考え方が大切です。
相手を妬む気持ちだけでは、「憎悪」が生まれ「敵」としか見えなくなるからです。
3.嘘や隠し事で相手を誤魔化さない
人は「見栄や失敗を隠す」ために、嘘や隠し事をします。これが続くと、雪だるま式に膨れ上がり本当のことが言えなくなります。結果、信頼関係を失います。
誰でも自分の弱さは見せたくありません。しかし、ライバル関係であれば互いの弱さは、人として認め合います。ライバルは互いの弱さを補うために、意見交換や助言ができる関係です。
理由は、互いに高いレベルを目標としているからです。自分だけがレベルアップしたいとは考えていません。相手がレベルアップすれば、自分もレベルアップできると考えているのです。
4.相手のために助け合い行動する
敵であれば、相手を蹴落とすのが目標です。ライバルは相手のために助け合います。助け合うことは信頼関係だけではありません。相手のために行動できる勇気でもあります。ライバル関係は、公私共に「友」なのです。
5.同じ目標をもち、同じ方向を向いている
目標や方向が異なると、目的や価値観も違います。目標や方向が同じだからこそ、目的や価値観が共有でき議論や意見交換ができます。
ライバルになりたいために、無理に目標や方向を合わせる必要はありません。違いがあるならば、どこがどのように違うのかと相手と話し合い意見交換をする必要があります。重要なのは、ライバル関係に至るまでのプロセスです。
まとめ
ライバルと敵は違います。敵は「対峙」が目的でありプラスになることはありません。ライバルは信頼関係と同じ目標を持つ「同志」です。
ライバルになるためには実力や能力がなければなれないのではありません。考え方や行動が必要です。ライバル関係になってこそ、自分を高める「競い方」ができるのです。
ライバルなら、自分にチャンスが来た時でも相手を助けることができます。しかし、相手が敵でも助ける人がいます。人は「なぜ助けるの?敵なのに!」と思ってしまいます。なぜ助けることができるのでしょう?
理由は相手を敵だとは思っていないからです。今は実力や能力が充分ではなくても、ライバル関係から生み出された本当の実力や能力が備われば、相手がだれであっても助けることができる人として成長するのです。
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